木造住宅は構造計算されていない!? №4【熊本~低燃費&高性能・子育て住宅】

つづきです。

自主的に構造計算をしている物件もある

木造2階建て等の四号建築の法規制が緩い一方で、設計事務所・工務店・ビルダー等の中には差別化のため自主的に構造計算をかけ、耐震性の高さを売りにしているところもあります。 こういった設計事務所・工務店・ビルダー で自主的に基準法の1.5倍の耐震等級3で許容応力度設計が行われている建物は安心して良いでしょう。耐震等級3の住宅は実大振動実験で阪神淡路大震災の揺れを加えても小さな損傷で済むという実験結果もでています。

実験結果の資料((財)建材試験センター)はこちらにあります

木造2階建て住宅を建築・購入を検討していて耐震性が気になる方は、ご契約前に一度確かめてみると良いでしょう。
私の事務所にも木造平屋や2階建ての四号建築でも、耐震等級3で構造設計をしてくださいという依頼が増えてきました。

構造計算していると広告しているが構造計算していない住宅

長期優良住宅で構造計算していますと謳っている木造2階建て住宅には実は構造計算していないものもあります。どういうことかというと住宅で耐震性の高さを示す耐震等級は品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)でその基準が定められていますが、木造2階建てでは許容応力度設計という鉄骨や鉄筋コンクリート造と同様の構造計算で行う方法と告示1347号第5に基づく基準法の壁量計算+α程度の簡易計算を行う仕様規定による方法の二通りがあるのです(木造3階建ては許容応力度設計が必須)。

仕様規定でも法律で認められた安全確認方法で四号建築の検討しかしていない住宅よりずっと耐震性は高いですが、あくまで簡易計算であり構造計算では無いのです。しかし設計事務所・工務店・ビルダー自身が仕様規定による簡易計算を構造計算だと誤解して「構造計算をしている」と宣伝している事が多い様です。構造設計者としては甚だ不本意ですが。

i-木構にも仕様規定による耐震等級2~3の計算をしてほしい旨の依頼がしばしば来るのですが、安全性の確認について取りこぼしのリスクが懸念されるので受け付けていません。

August 28 , 2014 , 19:55 PM

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