ケ-ススタディハウス・熊本・高性能住宅・藤島工務店

 

 “ケース・スタディ・ハウス”という言葉をご存知だろうか?“ケース・スタディ・ハウス”とは、1945年から66年にかけて、建築雑誌『アーツ・アンド・アーキテクチュア』がスポンサーとなり、チャールズ&レイ・イームズやリチャード・ノイトラ、ピエール・コーニッグをはじめとする新進気鋭の建築家を起用し、ローコストで複製可能なモダン住宅のプロトタイプ建築を目指したアメリカの実験的住宅プロジェクトのことだ。そのプロジェクトは、カリフォルニアにモダニズムの花を咲かせただけでなく、今もなお瑞々しい暮らしのアイデアを私たちに与えてくれる。

 VAN創業者・石津謙介邸も、海の向こうアメリカとほぼ時を同じくして、雑誌『モダンリビング』の企画によって生まれた日本版の“ケース・スタディ・ハウス”だ。1957年、建築家・池辺陽(いけべきよし)によって設計されたテラスハウス・通称“No.38”は、リビング、キッチン、寝室などの各スペースをスキップした3層に分けて立体的に構成。必要最小限の居住空間を生み出そうという都市型住居のプロトタイプだった。高度成長期に差しかかった当時の日本では、このような住宅に対する試みは、斬新かつ画期的なものだったに違いない。コンクリート打ちっぱなしのモダンな外観、天井が吹き抜けになった開放感溢れるリビング、光がたっぷり入る大きなガラス窓とそれらを囲む鉄のフレーム、2階につながるコ

ンクリートの階段など、現在も残る当時の意匠は、60年近く経た今も古さを微塵も感じさせない。

                                                                                   

June 28 , 2013 , 11:50 AM

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