「聴竹居」は、建築家・藤井厚二が京都の天王山に建てた自邸です。竣工は1928年。コルビジュエのサボア邸が1932年の竣工ですから、それより4年早いわけです。

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1925年のパリ万博はアールデコの幕開けでした。藤井厚二はヨーロッパを周遊した経験もあり、このデザインの流れも良く分かっていたようで、「聴竹居」には至るところに、アールデコのディテールを見出すことができます。ml0226_cho_01_10_Blog-h[1]

最も印象深かったのは、大きな縁側ともいえる空間です。

庭に張り出すように作られた、縁側というよりサンルームと呼びたい空間。

三方はガラスに囲まれ、解放することができます。今でこそ、庭は苔むして樹木の育った和庭の趣ですが、藤井厚二の一家が暮らしていた当時は、芝生だったとのこと。そのモダンさが想像されます。 hqbblog_001_img_02_Blog_Blog-v[1]

縁側で特徴的なのは、ガラスをつけ合わせたコーナーです。この一角があることで、視線の抜けが大きく確保されています。この縁側は、まさに室内と庭の中間領域。家中で最も気持ちよく、季節を感じる場所です。

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住宅に、内と外をつなぐ空間を作ることが注目されている今、87年前に建てられた木造建築のこの家に、改めて学ぶところがあります。

February 5 , 2018 , 11:34 AM

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