築15年、平屋真壁構法という外部から柱が見えるお家について
メンテナンスの問題が発生したので取り上げてみました。
現在瑕疵保証10年という問題もあり真壁の家はほぼなくなりましたが
当時までは割と高齢の方に好まれた家づくりでした。
長所は割愛し短所を列挙すると
1,雨がかかるだけなら損傷は少ないがひび割れから侵入すると腐食が早い
2,当初の木材特有の色が黒色に変色する。
3,シロアリの被害にもあいやすい
4,補修方法が確立していない
5,外観重視のための構法のため補修が限られる
等のことが挙げられます。
肝心な対策・考察としては
1,カバー構法、即ち表面を覆ってしまう
隠ぺいされるので劣化補修工事の仕上がりをあまり気にしないでよい
デザイン的に部分的な範囲で済めばよいが広範囲だと金額、見栄え等の問題がある
2,劣化が酷く集中して2~3本程度の柱なら取り換えも一案
柱間隔は950mmピッチで構造的にはあまり問題ないようであるが梁の継手は確認必要
外部はともかく内部の壁を解体しなければならないのでそこが一番の問題
3,芯までの腐食なら柱継ぎ工法も検討したい
前記と同様内部解体が問題
4,表面から20mm程度の腐食なら構造用接着剤併用しての化粧添え木・構造ビス採用
これで済めば施工性、難易度、金額面で有利
5,樹脂注入構法
最も施工性、難易度、金額面で有利だが実績に問題
今のところ思いつきで挙げてみましたが補修したあとの
他の柱を含めた対策も必要でしょう。
1,防腐防蟻薬剤処理の実施
2,柱及び柱廻りのシーリングその他の防水処理
3,柱の劣化対策として浸透性塗装の実施
設計施工者としての反省としては
施主にメンテナンスの説明が不十分であった
真壁構法の欠点を十分説明する必要があった
定期点検の意識が少なかった。
現在は長期優良住宅仕様なので頻繁に点検を実施していますが
当時はメンテんナンスの意識が足りなったと反省せざるを得ません